分析

2018年2月13日火曜日

拝啓 永野護先生

誰とも知らない人間にえらそーな風に言われたくはないだろうけど。
一言でいうなら良い巻でした。


僕は漫画を読むペースが基本早いと自負している。
単行本は5分あれば初見でも一冊消化できる。

・・・が、久しぶりに購入したこの本は違った。
ファイブスター物語 14巻
2/10発売されたばかりだ。


あらかじめ言うが、ネタバレを書くつもりはない。

永野氏は各設定を細かく描写しようとするあまり遅筆だとも聞く。
某H×Hの作者も休みが多いらしいが、氏はそれよりはるか前からマイペースだったようにも思える。加えて遅筆だ。
連載開始して20年?
まだ14巻なのである。

だが、今巻はその細部にこだわるが故に、内容の濃さに結び付いた。
そう思えた。

多くのキャラクターが登場する系統の漫画は個々人の設定をあまり活かせないケースが多い。
漫画ではないが、三国志演義の日本語版では著名な吉川版では同じ人物が3度死ぬという失敗すらある。
(横山版ではミスは敬称されなかったんだっけ?)

だが、この本はやっと主人公が、14巻にして、その片鱗を見せた。
それを取り巻くべき人物が、今まで脇役扱いされていたキャラクターたちが、わずかなコマながら輝きを見せた。それも大きな光を持って。

伏線回収もここまでくると見事だと言わざるを得ない。
多分だが、有名作家程の構成力は永野氏にはないだろう。
だが、この一冊に限っては話の展開的に見事だったといえる。

特に主人公に至っては輝きを見せたのは本当に何年ぶりだろうか。
他を圧倒する存在である主人公が、長年(休載が長くてね・・・)ピエロ役に回っていたのが、今回はその片鱗を見せた。
鳥肌が立った気がした・・・

今読み終えて時計を見た。
1時間経っていた。
漫画を数冊ハシゴしてそうなる事は多々あったが、一巻でこうなる事は滅多にない。

まあ、滅多に漫画を買わないという事もあるが、それでもドラゴンボールや北斗の拳、ワンピース(連載中だけど)、BLEACH。
少年誌のものならいずれも一日で(連載中のは連載時まで)全巻読み切る自信がある。

だが、この一冊はそうさせてくれなかった。
なんという密度だろう。
久しぶりに「読んだ」実感を覚えさせてくれた。

13巻で、登場人物とその関係性以外、全て設定が変わった。
そんな漫画、他にあるまい。今はただ受け入れてるのみである。。。

もしかすると長年付き合ったファンも離れかねない。
名前も姿も変わり、役割だけが引き継がれた、例えば下のキャラクター。
左が13巻以降の、右が3巻時の、名前違いだが、役割も立場も全く同じキャラクターだ。


正直まだ頭が追い付けてないのも事実だ。
多分僕は一人古い世界に取り残され、セントリーが吐く炎に焼き尽くされる存在と同じタイプの人間なのだろう。。。

色々後の展開が気にはなるが、なるべく長期の休載は避けていただきつつ、次の展開を楽しみに待つとしたい。

評価、星の数はその名前通り、間違いなく5つである!



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